定義 感染症予防教育とは?

 感染症予防教育とは、子どもたちに生涯持続する感染症予防力を育てることを目的として、教科横断的なカリキュラム編成の視点に基づき、各教科・領域において、感染症に関わる知識を提供するとともに、感染症予防の方法に関わる知恵と技術、感染症予防の実践力、感染症に関わる差別やいじめをしない決意、感染症を予防する行動を取る責任感や道徳性などに関わる資質・能力を多面的に育成する教育のあり方である。
 2020年に拡大した新型コロナウィルス感染症を、拡大の収束後においても自律的・主体的に予防することができる持続的な資質・能力を育てることが、今後数年にわたり不可欠になる。また、新型コロナウィルス感染症のみならず、21世紀になって多発している様々な感染症についても、その再発と予防のために、科学的な知識に基づき、高い倫理観と自律的な道徳性をもって行動できる予防力を、自由で民主的な社会における不可欠の資質・能力として育てることが大切である。
 わが国においては、特に総合的な学習の時間や総合的な探究の時間を中心として、多様な教科・領域を関連づけるカリキュラム編成のあり方についても実践的な研究を深める必要がある。


目標 感染症予防教育の教育目標

 現時点で構想している、感染症予防教育の教育目標は次の通りである。
① 多様な感染症の特徴に関する科学的な知識を得られるようにする。
② 感染症の予防法に関する知識と具体的な技術を身につけられるようにする。
③ 感染症を予防する生活習慣を計画し、実施し、ふり返って改善する態度を育てる。
④ 主体的・対話的に感染症とその予防策について深く学ぶことができるようにする。
⑤ 感染症予防に関わる高い倫理観と道徳性を身につけるようにする。

⑥ 自由で民主的な社会において、人権を尊重し遵法精神に基づく行動のあり方を考えるようにする。

指導と学習の教育原理

 各学校において、感染症予防教育を効果的に進めるためには、上記の6つの教育目標をしっかりと達成することができるよう、次のような指導と学習の教育原理を理解し実践することが不可欠である
① アクティブ・ラーニングの考え方や学習法を多く取り入れて、児童生徒による主体的・対話的で深い学びを推進するようにする。
② 知識を得るだけの教育にならないよう、感染症予防の方法について計画する力や実践する力、その効果を評価して改善する力などの課題解決的な資質・能力を育てるようにする。
③ 学校での予防活動を進めるだけでなく、児童生徒の家庭における予防的な生活習慣のあり方について学んだことを実践しふり返ることができるようにする。
④ ワークショップ型やプロジェクト型の課題解決的な学習のあり方を大切にし、児童生徒が自分事として納得感と実感をもって感染症予防の方法を実践することができるようにする。
⑤ 道徳教育を大切にし、自律的・主体的な道徳的実践として多様な予防法を実践することができるようにする。