基本理念 |
現状認識 |
そのプロセスを効果的に実施できるようにするためには、ひとえに教育の力に期待するところが大きい。罰則規定による強制力ではなく、自由で民主的な社会を維持しながら国民の自発的で自律的な道徳的実践力の発現を求めるわが国の感染症対策と予防の手法は、今後ワクチンや治療薬が完成したとしても、日本の学校での感染症予防教育を確立していくことを不可欠としているといえるだろう。それは、世界に誇れる日本の感染予防スタンダードになることをめざしていく営みでもある。
小学校の高学年を一例として、感染症予防教育のための教科等横断的なプロジェクト学習を構想したい。それぞれの教科・領域の単元名は以下のようになるだろう。感染症予防についてアクティブ・ラーニングを通して考え、子どもたちが自分と友だちの心と命を守り、できることから実践するための新しい学習のあり方を提案するものである。
カリキュラム・フレームワーク |
【総合】 「感染症から身を守る私たちの衛生プロジェクト」
【国語】 「感染症の防止法を提案する文章を書こう!」
【算数】 「感染症発生件数をヒストグラムにして考えよう!
〜緊急事態宣言は遅すぎた?」
【社会】 「ミニディベート〜なんのための法律と罰則か?」
【保健】 「身の回りの衛生とは〜日本の感染者数はなぜ少ない?」
【家庭】 「食の安全と調理における衛生の基本」
【特活】 「感染症を防ぐ衛生習慣を考え実践しよう!」
【道徳】 「感染症で起きるいじめを防ぐには〜私たちの生き方探し」
感染症予防教育は、まだ理論構築も実践の蓄積もほとんどない新しい教育テーマである。この理念に共感してくださる方々の叡智を結集して、未来社会を生きる子どもたちの感染症予防力の育成に効果的な教育のあり方をともに開発していきたいと願っている。
連携 |